システム論と三項図式と、コミュニケーションと社会、そしてコーディングと情報化。についてのメモ(自身twitter発言のコピペ)

あとでここに絵を描いて挿入したい。また今度(自分へ向けての発言です)。

システム論的発想を利用するとやはり社会の在り方をうまく記述できる気がしている。簡単に言うと、環境からシステムが分出し、システムは独自のコーディングの「形式」でもって分出するので、システムの「構造」はコーディング「形式」に対応する数だけ存在するし、だから色んな社会が存在しうる。

現在の社会を論じるにあたって重要なのは、システムが持つ「構造」の位相で議論することではなく、システムが持つ「分出形式」・「コーディング形式」で議論することだと思っている。なぜなら、現在のウェブなどのコミュニケーション様式は、まさに「コーディングの形式」を変化させているからだ。

具体的にいえば、これまでの「コーディング形式」は単純にマクルーハン的立場に立って「文字」などに代表される論理形式によって規定されてきていると言える。一方で、現在の電子の情報は既存の論理形式をメタ記述する「コーディング形式」であると言える。メタ記述形式は、遠藤薫的に言えば「エクリ・エクリ」と呼ぶこともできるだろう。

ここに後で絵を挿入したい。(コーディング層が二層になっているシステム環境図絵を挿入)

さらにAR的な発想は、エクリ・エクリの「形式」を利用してシステムの恣意性をシステム環境に投射する技術可能性を顕在化している。確かにそれは認識レベルに限定された環境への働きかけであるけれど、認識を存在(ないし環境)に帰せられない社会が顕在化すれば、それは割とまったく新しい現象であるように考えることができると思う。

ここにも絵を挿入。(ARによってシステム内コードが環境を記述する様相、これはオープンソースアーキテクチャの現実空間への干渉とも位置づけることができると思う)。


で、まとめていうと、おそらく、システムの環境との境界線の引き方が変化してきていると言える。僕は以前ブログで三項図式とシステム・環境・動的オペレーションの三項を対応させて論じたが、現在は動的オペレーションのための「コーディング形式」がエクリとエクリ・エクリに二層化しているはずだ。

というのが、観察者として現在の社会システムを俯瞰したときに見える今の社会システムのあり方のように思えている。





そして例えば、エスノメソドロジーなどの現象学的調査方法は、「コーディング形式」を精査しようとする方法論だと思っているので、今後きっちり勉強したいと思っている。

実はカルチュラルスタディーズなんかも、場の論理を追求するものであるので非常に「コーディング形式」を調査する方法として有効な気がしているが、なぜあれが割と政治的なものに包摂されがちなのかは不勉強故よくわかっていない。おそらく出自的なものだと思うが、未修というかんじ。







で、今度は話の位相が変わり、コミュニケーションを社会システムの構成要素と見ると、という仮定を受け入れつつの話。で、そもそもウェブのコミュニケーションが新しい感じで簡単に言われているけど、それはどういった新しさがあるのかを精査する必要性がまずあるということ。

短絡的な発想で言うと、ウェブ的コミュニケーションは都市的コミュニケーションに人間が慣れ親しんでいたから可能だったのではないかという考え方ができる。単純に都市生活によって機能分化された個が存在したからこそ、機能分化のあり方の変化形態として簡単にウェブ的コミュニケーションにも人は対応できた、という考え方。

時系列的に直列な機能分化が既存の都市的個の機能分化であったけれど、それがウェブによって並列機能分化に形態が変容していると言えるだろうということ。そして、そのように個の機能分化によってコミュニケーションの形式が変化しているのであれば、その表象である都市や政治なども当然変化すべきではないか?と言える(gov2.0、民主主義2.0の議論と接続される)。

つまりコミュニケーションのコーディングが劇的に変化している訳だから、システムの構造とミスマッチを起こしているのは自明なわけで、じゃあシステムの構造を原理論レベルで作り変える必要あるよね?って考えるのは当たり前すぎる発想であると考えている。そしてなおかつ現在の情報技術を駆使し、アーキテクチャをうまくオープンに構築できれば、それは実現可能性がある。




少し話は遡及して、都市的コミュニケーションによってウェブコミュニケーションが可能になったのであれば、ウェブコミュニケーション的なものの源流はペルソナ的な発想まで遡及する必要がある。機能分化できる個が存在するその歴史的源流を突き詰める必要性、つまりはギリシアにさかのぼる必要があるし、アーレントとか読まなきゃいけない。






そんなところでしょうか。とりあえずこれは僕の黙想かつ備忘録です。そういった位置づけのブログなのであしからず。



ちなみに

11月21日(土) 東京大学知の構造化センターシンポジウム→http://www.cks.u-tokyo.ac.jp/



11月22×23日(月×火) 慶応大学SFC、orf2009の各種シンポジウム→http://orf.sfc.keio.ac.jp/



11月25日(水) Revita、クリエイティブラボ第三回(guest;design matt李氏)
         →http://www.rebita.co.jp/seminar/creativelab/



と、今週から来週にかけては各種おもしろそうなシンポジウムやトークセッションにたくさん参加しています。

興味のある方は非常に有意義なものに自分は思っているので、一緒に参加しましょう。

一方逆に、何かお勧めのシンポジウムなどありましたら、教えてください。